こんにちは🌞ダイビングインストラクターのかっきーです◎
今回の記事ではダイビングにおける適正ウェイトについて解説していきます。
これからダイビングを始める方やダイビングをやったことがない方に一番馴染みのない道具ですよね。
何のためにダイバーはウェイトを身に付けるのか、
一体どれくらいの重さにすればいいのか、ウェイトにまつわるダイビングのトラブルとは?
意外と知らないウェイトについて深堀りしていきましょう◎




ダイビングのウェイトって何?

スクーバダイビングで使用するウェイトとウェイトベルト
まずはウェイトについての基本的なところから解説です。
材質、サイズ、身に付け方などなど・・・ウェイトについて知っていきましょう(^^♪




ダイビング用ウェイトの素材は?


ダイビング用のウェイトに採用される素材に求められることは以下の通り☟
・ある程度素材としての重量があること(小さくても重い=携帯しやすい)
・形を加工しやすいこと
・錆びないこと
といったところです。これらの条件を満たした素材が鉛(なまり)となります。
釣り具等でもよく採用される素材で、特に錆びにくい素材の中では加工のしやすさや低価格なことも相まってウェイトには鉛が採用されています。




ダイビング用ウェイトのサイズについて


ダイビングではウェイトを㎏単位で使用します。
ウェイトの重量はダイバーによって様々なので主に1㎏のウェイトと2㎏のウェイトを組み合わせて自分に合った重量を作ります。
ダイビングで使用するウェイト
大きい方が2kg、小さい方が1kgです。
いずれも手のひらサイズでまれに1.5kgや0.5kgといったウェイトもありますが、基本は1kgと2kgのウェイトです。




ウェイトの装着の仕方について


ダイビングをする際、通常はウェイト専用のベルト、通称ウェイトベルト(そのまんまです笑)に通して腰に巻きます。
着脱は比較的簡単でバックルを締めるだけで完了です。
現在はウェイトを入れるためのポケットが内蔵されたBCDも大手ダイビングメーカーからも発売されていて、
腰への負担軽減やウェイトが擦れることからくるダイビングスーツの傷みを軽減してくれる便利機能も活躍しています。
ウェイトポケットが内蔵されたBCD




装着時に注意したいこと

ウェイトの装着にはいくつか注意点があります。
以下の事に注意して安全に装着しましょう◎


ウェイトの装着位置
ウェイトベルトを使用する場合は必ず骨盤より上でしっかりと締めます。
スクーバダイビングで使用するウェイトの正しい装着位置
陸の時点でウェイトベルトが傾くような状態では水中ではほぼ間違いなく脱落します。
理由としてはダイビングスーツの収縮です。
多数の気泡があるダイビングスーツは水深が深くなるにつれて水圧に押しつぶされて生地が薄くなります。
そのため陸上よりもさらに腰周りが細くなり、脱落の原因となります。
念入りにするにはエントリー後、水中でウェイトベルトを締めなおすと脱落防止になります。




ウェイトの向きに注意
ウェイトは本来身体の左右周辺に装着するものであるため、軽いカーブ状になっています。
スクーバダイビングで使用するウェイトはゆるいカーブ状になっている
このカーブを裏返しで装着すると余計に身体に当たったり、ウェイトポケット内蔵のBCDでは入らないということが起きてしまいます。
身体に巻くにしてもBCDのウェイトポケットを使用するにしても、ウェイトの向きには注意しましょう◎




余ったウェイトベルトは折り込まない
ウェイトベルトは余裕をもってかなり長くなっていることが多いです。
そのためウェイト装着後に余ったウェイトベルトがペラペラと鬱陶しいこともあります。
しかしながらこの余ったウェイトベルトは内側に折り込んで収納しないでください。
理由は緊急時に即座にウェイトベルトを外すためです。
緊急浮上をする場合、ウェイトベルトを水中で捨てることもあります。
その際に折り込んでしまっているとなかなか外せないということも考えられるので、
多少邪魔でも余ったウェイトベルトはそのままペラペラさせておいてください。




ウェイトは投げない
鉛の塊を人や物に向かって投げることはさすがにないと思います(笑)
ここでは投擲という意味ではなく、ポイっと地面になげてゴンッ!と地面に置かないでくださいということです。
なぜならウェイトは鉛の為案外柔らかく、簡単に形状が変わってしまいます。
雑にゴンゴン!と地面に当てているとウェイトベルトを通す穴が次第に狭くなっていき、
ついにはウェイトベルトが通らなくなってしまいます。
ウェイトは丁寧に扱いましょう◎




何のためにウェイトをつけるのか

ウェイトの基本的なことは上記のとおりですが、ここからはさらに深堀りしていきましょう。
ダイビングの器材はかなり重く、タンク(シリンダー)に関しては13kgほどあるのが通常です。
さらに数kgの重りを身に付ける必要なんてあるのか?と思ってしまいますが、
それにはきちんと理由があるのです。




ウェイトはダイビングスーツと深い関係がある

ウェイトがないとダイバーは沈むことができません。
つまりそれはダイビングスーツがとんでもない浮力を持っているという事です。
着ているだけで浮きすぎるダイビングスーツの浮力を無効化するためにウェイトは必要不可欠な存在なのです。




浮かないダイビングスーツならウェイトはいらない?

浮きすぎるダイビングスーツのせいで邪魔なウェイトをつける羽目になるなら、
浮かないダイビングスーツを着ればいいのでは?
という疑問もあると思いますが、それは不可能です。
ダイビングスーツが強い浮力を持つ理由は「生地の厚さ」によるもので、
生地が薄ければ薄いほど浮力は減少しますが、そうなると保温力が激減します。
ダイビングにとって冷えは天敵です。
保温力を発揮するためのダイビングスーツなので、保温力を捨ててしまうのはご法度です。
まれにペラペラの上着と水着だけでダイビングをしているベテランダイバーも見かけますが、
何もかっこよくありませんので真似しないようにしましょう◎




タンク(シリンダー)がもっと重ければウェイトはいらない?

極論でいえばそうですが、これ以上タンクが重くなるのは勘弁してください状態です(笑)
さらに細かいことを言うと重量=沈む力ではありません。
浮力(浮く力、沈む力)は重量と「表面積」によって大きく変わります。
例えばパチンコ玉とバスケットボールで比べてみます。
重量は明らかにバスケットボールの方が重いですが、沈むのはパチンコ玉だけです。
物体が水中で浮くか沈むかの違いは「物体が押しのけた水の重量と物体の重量の差」という原理があります。
ここでこれ以上このアルキメデスの原理を説明すると文字数がとんでもない上に本題から逸れてしまうので簡単にまとめます。
「重くてもデカいと浮く」「軽くてもちっちゃいと沈む」こんな風に思っててください◎
つまりタンク(シリンダー)は重量はかなりありますが沈む力はそれほどないという事です。
タンク(シリンダー)が多少重くなったところでウェイトは必要になります。




ダイバーの適正ウェイトは?

ダイバー各々によって適正はウェイトの重量は違います。
自分に合ったウェイト(適正ウェイト)を知ることが安全・快適にダイビングをする第一歩と言っても過言ではありません。
ここからは適正ウェイトについてのお話です。




適正ウェイトの作り方

適正ウェイトを作るには浅くても構いませんので海で行うのが一般的です。
足がつかない(浮いていられる)場所であればどこでも構いません。
ある程度のウェイトを身に付けて水面に浮いた状態でBCDの空気を抜いてください。
その際の身体の浮き具合で以下の判断ができます。




BCDの空気を抜いて普通に呼吸をしているけど顔が水面から出ている

これはウェイトが軽すぎる状態です。
これではいくら潜降しようとしてもなかなかスムーズには潜降できません。
もう1kg~2kg増やして再チャレンジしてみましょう◎




BCDの空気を抜いた瞬間から沈んでいく

これはウェイトは重すぎる状態です。
自分の意思とは関係なく沈んでしまうため耳抜きが間に合わなかったりと危険も潜んでいます。
もう1kg~2kg減らして再チャレンジしてみましょう◎




BCDの空気を抜いて普通に呼吸をしている時は水面が目線の位置にくる

これが正しいウェイト数量、つまり適正ウェイトです。
潜降するためにはここからさらに息をしっかりと吐いてゆっくりと潜降しましょう◎




プール施設では誤差が出るので海がオススメ

海でダイビングする女性
海水と淡水では液体自体の重さが違うため(塩が入っているので海水の方がやや重いです)
浮力も変わってきます。プールでは4kgは適正ウェイトだと判断しても、
海では4kgではやや足りない(軽い)ということもあるので適正ウェイトの判断は海で行いましょう。




水深によって適正ウェイトは変わる

浅い水深(ビーチダイビング)と深い水深(ボートダイビング)では適したウェイトは変わります。
ボートダイビングの際はビーチダイビングの時より―2kgほどに調整するのがオススメです。




適正ウェイトは使用するダイビングスーツによって変わる

ダイビングスーツにはWETスーツ・DRYスーツの2種類があり、それぞれ気温や水温によって使い分けます。
WETスーツとDRYスーツでは保温の仕組みが大きく異なり、特にスーツ内に空気を送りこむことになるDRYスーツではWETスーツの時の適正ウェイトよりも+2kgほどの追加がオススメです。


タンク(シリンダー)の種類によってもウェイトを変えること

ダイビングのタンク(シリンダー)の素材は2種類。
スチール製とアルミ製です。
普段どちらの材質を使用するかやどちらの材質で適正ウェイトを決めたかによりますが、例えばスチールで適正ウェイトが4kgだった場合、アルミだと6kg~7kgに増やします。
アルミタンクの方が多くのウェイトを必要とすることになりますので、タンクの材質が変わる場合は注意しましょう。
適正ウェイトやタンク(シリンダー)についての記事はコチラ




日本と海外でのウェイトの違い

日本では馴染みのあるkg単位も海外に行けばマイナーなものになります。
ポンド単位が採用される場合も多いので、1kgが何ポンドなのか、または1ポンドは何kgなのかを把握しておきましょう。
1ポンド=0.453592kgなので大まかにすると約0.45kgという事になります。
4kgのウェイトを作る際にはポンド単位では9ポンド(約4.05kg)となりますので、
kgとポンドの換算を間違えない様に注意しましょう◎




ウェイトに関する注意事項

ここまで記事をざっと読んで頂けたならダイビングにおいてウェイトは非常に重要なものだという事が伝わったのではないかと思います。
しかしながらまだまだダイビングを楽しんでいるダイバーの中にも「ウェイトは適当に」「沈めば何とかなる」という認識をしてしまっているダイバーもいます。
かなり長文になりましたが最後はウェイトに関する注意事項とリスクについて解説します◎




ウェイトはしっかりと締める(留める)こと

ウェイトの装着に関しては上記のとおりですが、もし水中でウェイトが外れればどうなるのかを解説します。
水中でウェイトが外れてしまうと途端にバランスを崩します。
その後完全に身体からウェイトが離れれば急速な浮上に繋がります。
ウェイトあっての浮力調整なので、そのウェイトがなくなるとなればBCDの空気を完全に抜ききって息を吐ききっても浮上を止めることができない場合もあります。
ウェイトの脱落防止には細心の注意を払いましょう◎




ウェイト脱落に役立つ情報

ウェイトの脱落を防ぐためにできることをいくつか紹介します。
次回のダイビングからできることもあるので参考にしてください。


ウェイトベルトのバックルの点検
スクーバダイビングで使用するウェイトベルトのバックル
ダイビングで使用するウェイトベルトはバックルで挟み込んで留めるものが一般的です。
様々な形状のものがありますが、長年使われてきたウェイトベルトはバックルを締めた時の挟む力が弱まっていることがあります。
しっかりとバックルの挟む力があるかを確認しましょう。




バックルを締める際にも注意
スクーバダイビングで使用するウェイトベルトのバックル。しっかり締まっておらず悪い例
写真のように斜めにベルトを締めてしまうとバックルが締まりきりません。
少し浮いた状態になり脱落に繋がります。
バックルを締める際はベルトをまっすぐに締めるようにしましょう。
ウェイトポケット内蔵型のBCDを使う
ウェイトポケット内蔵型のBCDであればウェイトベルトを使う必要はありませんのでその点は安心です。
しかし安価なBCDだと購入当初はしっかり留まってくれていても、使用するにつれてウェイトポケットの強度が落ちるものや、
マジックテープだけで留めるようなものもあります。
どんなものであれ絶対安全ではないので使用前の点検やオーバーホールにはしっかりと出しましょう。


ウェイトはすぐに外せるようにしておくこと

さっきと真逆の事を言っているように見えますが、少し違います◎
勝手に外れるのがダメということで、任意に外せる状態が望ましいという意味になります。
水中でウェイトを外す必要があるのかと疑問もあると思いますので、ちょっと詳しく解説します。




水中でウェイトを外す場面とは

単刀直入にいうと緊急時です。
深い水深でエア切れ、そしてバックアップ呼吸源(オクトパス)をもらえない状況(ロスト)が発生してしまうと残された手段は緊急浮上一択です。
落ち着いて直ちにウェイトを外し、捨てます。
浮上開始と同時に水面に向かって大の字になります。
この時レギュレーターは吸えなくても外してはいけません。
このままゆっくり浮上するのがポジティブボイアントアセントという浮上方法です。




オーバーウェイトは危険

ウェイトの付けすぎ、いわゆるオーバーウェイトにはならない様に気をつけましょう。
度が過ぎると強制的に沈んでしまうことになるので大変危険です。
適正ウェイトをしっかり見極め、必要な分だけウェイトを装着します。
ただし、「今日はしっかり地面に着底して小さい生き物の写真を撮るぞ!」という場合等は
適正ウェイト+1~2kgの増量はボク自身もよくすることなのでアリかなと(^^♪




まとめ

ウェイトはダイバーにとってなくてはならないものであり、水中で外れることがあってはなりません。
適正ウェイトを把握して安全にダイビングをしましょう◎
また、緊急時にはウェイトを外す必要もあるので「勝手に取れない、いつでも外せる」を心がけていきましょう◎