ダイビングで起こる事故の予防法
スキューバダイビングの事故はいくつもの小さなトラブルやミスが重なって発生します。
逆を言えば事故の予防は、こまめな点検や簡単な対処で防ぐことができるものが大半です。
ダイビング前やダイビング中の事故の予防法を紹介します◎
これからダイビングを始める方、ダイビングを始めたばかりの方、中堅・ベテランすべてのダイバーに向けての記事です。
ダイビングで起こる事故と原因について詳しくはコチラ↓
ダイビング前にできる事故予防
特に海に慣れたベテランダイバーさんと、ビギナーダイバーさんは要注意です( ゚Д゚)
潜水前のチェックで安全にダイビングを楽しめる状態にしましょう(^^)/
タンクの残圧
ダイビング開始前にまずチェックするのがタンク内の残圧です。
空気の消費量うんぬん以前に元々入っている空気が少ないと元も子もありません。
現地スタッフから手渡されたタンクだとしても、もしかすると空気の充填ミスや、他のダイバーが使い終わったタンク(業界では残タンと呼んだりしますね)かもしれません。
必ず器材のセッティングの際に残圧計を見て、少なくとも170以上の残圧があることを確認しましょう。
レギュレーターの不調
一般的に1年に1回もしくは潜水回数100本に1回のペースでメンテナンス(オーバーホール)を行います。
ぱっと見ではきれいなレギュレーターでも1年も使えば中の細かい部品は結構錆びたりしています。
そのまま使い続けてしまうと徐々に各部からエア漏れをしてしまったり、最悪の場合ダイビング中にホースが裂けて爆発的なエア漏れを起こすという事も十分あり得ます。
ダイビング直前には必ずちゃんと空気が吸えるか等の確認作業をしましょう。
BCDの操作確認
レンタルのBCDを使用する場合、行く先々でBCDのメーカーやサイズ感が変わることは想像できますね。
しかしながら問題はそれだけではなく、基本的な給気や排気の方法まで物によって違いがあります。
海に入ってから操作方法を確認している暇はありませんので、必ずダイビング前に確認しましょう。
自分のBCDをお持ちの方も、以前と比べて不調がないかのチェックは毎回欠かさず行いましょう◎
エントリーの手順・方法
ボートからのエントリーの場合、ボートの形状や水面の状況によってエントリー方法が変わります。
船べりに座り背中から落ちるバックロールエントリーや、直立状態から一歩踏み出してエントリーするジャイアントストライドエントリー、その他にも大型のボート(クルーザー)では、座ってゆっくりエントリーするシッティングエントリー等、様々なエントリー方法があります。
やり方がよくわからない場合等は、必ずガイドやインストラクターに確認してサポートお願いするようにすることで、水面でのトラブルも未然に防ぐことができるはずです。
ダイビング中にできる事故予防
続いてスキューバダイビング中の事故予防です。
気づいた時には大惨事!なんてことにならないために、ここでもう一度確認しておきましょう⚡
定期的に残圧チェック
ダイビング中は常にタンク内の空気を消費しながらの活動になることは言うまでもありませんが、水深によって空気の消費ペースが変わります。
水圧が強くかかる深い水深ほど空気の消費は早くなりますので、こまめに残圧をチェックしていないと気付いた時には残り25%を下回っている可能性もあります。
また、ベテランダイバーが気をつけたいのが「いつもと違う状況」です。
普段から潜り慣れているベテランダイバーは水深と経過時間でおおよその自分の空気消費量を把握していたりしますよね。
しかしレギュレーターを長期間使い続けてオーバーホールに出していなかったり、いつもより頑張って泳いだ結果呼吸数が増えていたりすると、みるみるうちに空気が経ていくこともあります。
どんなダイバーでも必ずこまめに残圧をチェックしましょう。
バディやチームの位置を確認
これもベテランダイバーさん要注意です。
ダイビングに慣れれば慣れるほど、バディ間やチーム間の距離は開いていきます。
毎年数件耳にするダイビング事故も、これが要因の一つになっているケースがかなり多いですね。
透明度や透視度にかかわらず、ガイドやチームのメンバーが目視できないほどの距離には絶対に行かないこと。
あとこれは余談ですが、「ベテランなので一番後ろでほったらかしてくれていいです~」と言って水中でぐんぐん離れていくダイバーさん、ガイドは「いや~〇〇さんのガイドは楽で助かります~」って口では言うかもしれませんが内心嫌ですし困ってますよ(笑)
その人一人の事故でショップが終わってしまうかもしれませんからね・・・
緊急時の対処法
これも超重要です。万が一ロストやその他のトラブルに陥った時にはどのような行動をするかを予め決めておきます。
僕はガイドをする時は必ずどれだけベテランでも「もしはぐれたらその場で待機、そのまま1分間目視だけでチームを探してそれでも見つからなかったら(迎えに来なかったら)ゆっくりまっすぐ浮上する。そして水面でBCDに空気を入れて浮力を確保してください」という文言を伝えています。
水面で浮力を確保できれば最悪の事態は避けられる可能性が非常に高いです。
いろんなガイドがいて、いろんな独自ルールがあると思いますが、ブリーフィングでもしもの時の話をされなかったら「もしもの時はどうしたらいい?」と必ず聞いておきましょう◎
まとめ
ダイビングにリスクは当然ありますが、きちんとルールや基本を身に付ければ誰でも楽しめます。
これから冬季のダイビングシーズンでダイブサイトは常連さんやベテラン勢の割合が多くなってくるはずなので、今一度安全潜水を心がけていきましょう!
アズール梅田店ではレスキュートレーニング(応急処置・水難事故救助演習・AED使用演習)を受け、ダイブリーダー(上級ライセンス)を目指す方も多くいらっしゃいます。