スタッフブログ

アオリイカの産卵など、梅雨の時期のダイビングも見逃せない!

こんにちは、スマイル全開‼

ダイビングショップ アズール梅田店のウタです(^^ゞ

「今年の梅雨は、どこに潜りに行こうかな?」

「梅雨時期のダイビングって、ぶっちゃけ面白いの?」

​そんな風に悩んでいるダイバーのみなさん、実は6月の海こそ、1年の中で最もドラマチックで生命力に満ちあふれた「最高のシーズン」であることをご存知でしょうか!

​5月頃のプランクトンが豊富な「春濁り」の季節が落ち着きを見せ始め、水中には一気にクリアな「夏ブルー」変化していきます。

水温も少しずつ上昇し、陸上では汗ばむほど暖かいこの季節、海の中では生き物たちが一斉に動き出します。そう、梅雨の海は、生き物たちにとって年に一度の熱い「恋の季節」なのです?

普段は何気なく通り過ぎてしまう小さな魚たちが、目を見張るような美しい色彩に変身したり、目の前で激しい縄張り争いや命がけの求愛ダンスを繰り広げたり……。

さらに、初夏の風物詩である「アオリイカの大産卵」など、この時期しか見ることのできない決定的瞬間が、繰り広げられています。

​ただ魚を見るだけのダイビングから一歩進んで、彼らの「生き様」や「生態行動」を観察するダイビングは、一度ハマると抜け出せない面白さがあるんです!

​今回はブログでは、6月のダイビングで見逃せない!そんな生き物たちの神秘的な生態行動の見どころをご紹介していきたいと思います♪♪

なぜ6月?初夏の海が「恋の季節」と呼ばれる理由

水温上昇と日照時間が生き物のスイッチを入れる

​海の中の季節は、陸上よりも約1〜2ヶ月遅れてやってくるとよく言われます。

陸上が梅雨を迎える6月、日本の多くのダイビングポイントでは、水温が20℃を超え、22℃〜24℃前後へと向かってぐんぐんと上昇していくターニングポイントを迎えます。

この「水温の上昇」と、1年の中で最も昼の時間が長くなる「日照時間の増加」こそが、海の生き物たちの生殖本能を呼び覚ます最大のスイッチです。

冬の間は深場や岩の隙間でじっとエネルギーを蓄えていた生き物たちが、浅場へと上がってきて一斉にペアリング相手を探し始めます。

プランクトンが豊富で、生まれたばかりの幼魚たちが育ちやすい環境が整うこの初夏は、子孫を残すために完璧なタイミングなんです!

初心者でもじっくり観察できるチャンス!

​「生き物の生態行動なんて、ベテランダイバーやプロじゃないと見つけられないのでは?」と思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。

6月の生態行動は、非常にオープンで大胆に行われることが多いのが特徴となっています。

​特にアオリイカの産卵などは、水深10m〜15m前後の初心者でも無理なく行ける安全なエリアに「産卵床(さんらんしょう)」と呼ばれる木の枝などを設置するため、エントリーして少し泳ぐだけで、目の前で繰り広げられる大スペクタクルに遭遇できます。

また、魚たちの求愛行動も、特定の縄張り内で繰り返されるため、中性浮力をとってじっと待っていれば、ライセンスを取得してまだ数回しかファンダイビングに参加していないビギナーダイバーでも驚くほど間近でじっくりと観察することができます。

 6月ダイビングのハイライト!アオリイカのドラマチックな産卵

産卵床に集まる大型アオリイカの迫力

​梅雨の海において、絶対に外すことができない主役といえば「アオリイカ」です。

この時期、日本の沿岸部では、体長40cm〜50cm、時にはそれ以上にもなる巨大なアオリイカたちが、ペアを組んで浅場の産卵床へと一斉に押し寄せてきます。

​透明度が高くなり始めたブルーの海を背景に、何十匹もの大型イカがホバリングしている姿は、圧倒的な迫力です。

彼らの半透明の体は、太陽の光を浴びるとキラキラと虹色に輝き、ダイバーを一瞬で魅了します。普段、食卓で見かける白い姿からは想像もつかないほど、水中でのアオリイカは優雅で、そして神聖なオーラをまとって見えるでしょう。

オス同士の激しい縄張り争いとペアリングの瞬間

​アオリイカの産卵場は、まさに「愛と闘いのドラマ」の舞台です。

メスをめぐるオス同士の争いは非常にエキサイティングでアオリイカは感情や興奮状態に合わせて、体色を一瞬で激変させることができます。
​お気に入りのメスをキープした大きなオス(ペアオス)は、他のオス(スニーカーと呼ばれる割り込みを狙うオス)が近づいてくると、体色を威嚇を示す濃い黒褐色に変え、触腕を大きく広げて相手を激しく牽制します。

シュッと一瞬で色が変わるその様子は、まるで忍者のようで無事に闘いに勝ち、ペアが成立すると、オスはメスを優しくエスコートしながら産卵床の隙間へと導きます。

メスは自らの腕に抱えた、まるで白い花びらのような美しい卵の嚢(らんのう)を、木の枝の隙間に1つずつ丁寧に産み付けていきます。

その健気で必死な姿には、思わず見とれてしまうほどの感動があります。

アオリイカ産卵のおすすめ観察スポット

​この感動的なアオリイカの産卵は、日本全国の様々なエリアで観察できます。

東日本のダイバーにとっての聖地といえば、伊豆半島の「大瀬崎」や「富戸」、「IOP(伊豆海洋公園)」です。

これらのポイントでは毎年5月~7月にかけて、非常に高確率で大規模な産卵を観察することが出来ます。

また、西日本であれば和歌山県の「串本」や「白浜」、九州の「長崎・辰ノ口」なども有名です。

和歌山県串本の海でアオリイカの産卵シーン

カラーチェンジに求愛ダンスも!魚たちのユニークな恋の駆け引き

一瞬で色が変わる?魚たちの「婚姻色」に注目

​梅雨の海でフィッシュウォッチングをする際、ぜひ注目してほしいのが魚たちの「体色の変化」です。

繁殖期を迎えた魚のオスは、メスへのアピールやライバルへの威嚇のために、普段とは全く違う鮮やかで派手な衣装をまといます。これを「婚姻色」と呼びます!

​例えば、普段は地味なグレーや茶色っぽい色をしているスズメダイの仲間や、ベラの仲間たちが、この時期になるとメタリックなブルーや、鮮烈なイエロー、ピンクといった、息をのむほど美しいカラーリングに変身します。

この婚姻色は、オスの興奮度が高まっている時だけ現れるため、まさに「今、この時期・瞬間」しか見られないプレミアムなカラーなんです。

命がけのダンスや巣作り!健気な求愛アピール

​色を変えるだけでなく、オスたちはあの手この手でメスの気を引こうと猛烈なアピールを行います。
多くのベラやスズメダイのオスは、自分の縄張りの上で激しく上下に泳いだり、ヒレをいっぱいに広げてダンスを踊る「求愛ディスプレイ」を行います。

また、砂地や岩肌にせっせと口で砂を運び、卵を産み付けるための巣穴をきれいに掃除する健気なオスもいます。

メスがやってくると、「僕の家はこんなに素敵だよ!」「僕とペアになろう!」と言わんばかりに、激しく体を震わせて巣穴へと誘うのです。メスにフラれてガッカリしているオスの姿など、人間味(魚味?)あふれるコミカルなドラマが、水中のあちこちで展開されているんです♪

梅雨に観察しやすい代表的な魚たち

​この時期、特に観察しやすいおすすめの魚たちをご紹介します‼

​クマノミ: イソギンチャクの根元をオスとメスがせっせと掃除し始めます。6月後半になると、オレンジ色の鮮やかな卵を産み付け、親魚がヒレで水を送って卵のお世話をする姿が見られます。

​コブダイ: 佐渡島や伊豆半島などで見られる大型のベラで頭のコブを突き合わせ、ボス座とメスをめぐってオス同士が激突する大迫力のファイトが見られるのもこの時期です。

キンギョハナダイ: 根の周りで、オレンジ色のメスたちの周りを、婚姻色(ヒレの先が濃い赤や紫になる)を出したオスが激しく乱舞します。水中がピンクとオレンジの吹雪のようになり、圧倒的な美しさを繰り広げてくれます。

2匹のハマクマノミが仲良くイソギンチャクの中にいる様子

 

生態行動をじっくり&安全に観察するためのコツ

近づきすぎはNG!生き物を驚かせない距離感

​生き物たちの生態行動を観察・撮影する上で、最も大切な鉄則は「彼らの恋路を邪魔しないこと」です。

求愛や産卵に夢中になっているとはいえ、ダイバーが猛スピードで突っ込んでいったり、影を落としたりすると、生き物たちは恐怖を感じて逃げてしまいます。

一度逃げてしまうと、せっかくの求愛行動が中断され、最悪の場合、その年の繁殖が失敗してしまうこともあるんです。

​観察する際は、まずは数メートル離れた場所で1分ほど静止し、彼らの動きのパターン(どのルートを泳いでいるか、どこを巣にしているか)を観察しましょう。

そして、生き物の目線に合わせるように低く這うような姿勢(着底できる場所なら周囲の環境に配慮しつつ)で、ゆっくりと、泡を大きく立てないように息をコントロールしながら近づくのが基本となっています。

決定的瞬間を見るための中性浮力

完璧な中性浮力のキープ: 生態行動が行われる場所の多くは、砂地や、繊細な生物がついている岩場です。興奮して砂を巻き上げてしまっては、視野が悪くなったり、写真が台無しになるだけでなく、他のダイバーの迷惑にもなります。

また、自分の体が上下に揺れていては落ち着いてこ見ることも不可能です。しっかりとBCDの排気・吸気をコントロールし、呼吸だけで数センチの上下動をコントロールできる「完璧な中性浮力」を意識してみてくださいね!

まとめ:梅雨の海は生命のエネルギーでいっぱい!

​梅雨の季節、陸上では雨が続いてなんとなく気分が沈みがちになる6月ですが、ひとたび海の中に飛び込めば、そこには1年で最もエネルギッシュで、熱い生命のドラマが広がっています。

​一瞬で体色を変えるアオリイカの激しい愛の闘い、婚姻色をまとって美しく舞う魚たちの求愛ダンス、そして次世代へと命を繋ぐ感動的な産卵の瞬間——。

これらはすべて、初夏のこの限られた時期にしか立ち会うことができない、海からの特別なギフトです。

​ただ「綺麗な景色を見る」「かわいい魚を探す」というダイビングから、一歩踏み込んで生き物たちの「行動の意味」を理解したとき、ダイビングライフは、これまでにないほど深く、面白いものへとなるはずです。

​ぜひ今年の梅雨は、ウェットスーツの準備を万全にして、生命のエネルギーが満ちあふれるドラマチックな初夏の海へアズールと出かけてみませんか?

あなたの想像を超える、感動的な出会いが水中で待っているはずです!

★アズールホームページはコチラから→ https://www.azu-l.jp/

青い海の中、色鮮やかな人差し指サイズの魚が群れになって泳いでいる。

関連記事